僕の趣味が高じた結果、Chromebookについてまとめて比較して評価してみる話。(レビューは後日)
そもそもChromebookってなんぞ?
一言で表現するなら、「必要最低限ギリギリのラインまで究極的にスリム化された超低価格ノートパソコン」とでも言いましょうか。インターネット(クラウド)に全てを委ねることで、そのスリム化と超低価格化(2〜4万円)を実現したパソコンです。
昔、ネットブックという超低価格パソコンがほんの一時期注目されました。これもChromebookと同じように、その機能をスリム化することで、簡単なインターネット閲覧に特化されたパソコンでした。しかしネットブックは今の市場に影も形もありません。様々な理由が言われていますが、その機能面の弱さや遅さが衰退の原因ではないかと考えられます。
その点、Chromebookは、次項で述べるChrome OSを採用し、時代とともにクラウド技術が進歩することで、ネットブックの弱点を克服しました。日本では2014年7月になってようやく初めて法人向けの販売が開始されましたが、これはIT最先進国であるアメリカに対して大きな遅れを取っていると言わざるを得ません。アメリカでのChromebook市場の成長はとてつもないものがあり、Chromebookは、今までのWindowsやMac一辺倒だった業界を席巻する黒船のような存在と言えます。
Chromebookの実態をできるだけ簡単に言うと?
Chromebookとは、OS(WindowsとかAndroidとかiOSとかそういうの)として、Chrome OSという、Google謹製のそれを搭載しているノートPCのことを言います。みなさんChromeという単語に聞き覚えがあると思います。もちろんこれはブラウザ(インターネットエクスプローラーとかそういうの)のひとつであるChromeの事です。Chrome OSは、このChromeというブラウザをインターフェース(窓口)として最大限活用し、本来パソコンに組み込まれていた様々な機能を実現していきます。
Chrome OSのメリットとデメリット
メリット
- 起動が速い:Chromebookは7秒で起動が完了します。感動的な速さですね。
- ウイルス対策が不要:システムがいつも最新に保たれていますので、Windowsのようなウイルス対策は不要になりました。
- 価格が非常に安い:2−4万円で日本からも購入できます。
デメリット
- 今まで使用していたようなアプリケーションが使えない:iTunesやPhotoshop、Microsoft officeは使用できません(iTunesとofficeに関しては代替案がもちろんありますので、次項で解説します。)
- ネット接続がないと機能が大幅に制限される:機能をクラウドに依存している以上、仕方のない所です。
Chromebookで大問題となるiTunesとMicrosoft Office
僕たち一般ユーザーにとって、iTunesとMicrosoft Officeが使えないというのはとても看過できない問題です。iTunesは一般的に最も重要な音楽プレーヤーで音楽管理アプリケーションですし、Microsoft Officeは言わずもがな。僕は数年前からChromebookに注目してその動向を日々チェックして過ごしていましたが、やはりこの大問題が解決されない限り、Chromebookはガジェットマニアにとってのオモチャにすぎないと考えていました。しかし今年に入り、Microsoftがクラウド上でのOffice機能を大幅に強化したことで、状況は一転しました。
iTunesの代替案
まずはこいつについてですが、これはもう、Google Play MusicというGoogleのクラウド機能を利用しましょう。このサービスは基本的に日本からは利用できないのですが、少し工夫すれば問題なく利用できるようになります。
方法については、このサイトの中で非常に詳しく記述されていますので、こちらを参考にしてみてください。
Microsoft Officeの代替案
Microsoftが提供するOffice Onlineを利用しましょう。
今まで、無料のOfficeなら、Microsoftの関与していないOpen Officeなどがありましたが、これはOS間・バージョン間の互換性に問題がありました。 しかしこのOffice OnlineはMicrosoft謹製のクラウドサービスですので、互換性には全く問題がありません。使わなければ損、というレベルのサービスですので、積極的に利用されてはいかがでしょうか。
販売されているChromebookの比較
Chromebookは複数のPCメーカーから販売されています。その中で、今はもう古くなってしまったモデルを除いた上で、現在購入する価値があるモデルをピックアップして比較してみたいと思います。
今回比較するモデルは、以下の4モデルです。全て11インチの紹介となります。
この4つ以外にも、東芝やDELLからも販売されているのですが、東芝版は13インチのみで11インチが悪く、携帯性が悪いこと。DELL版は価格帯が1万〜2万円高いことから、今回は残念ながら除外させていただきました。
それでは次項からこの4モデルについて、最も定量的に比較評価が可能な、CPU・重量・バッテリーの3項目について、それぞれ順位付けしていきたいと思います。
1.CPUの比較
CPUはいわゆる「ヌルヌルサクサク度」を示します。CPUが強ければ、多少PCに負荷をかけた動作をさせても、止まったりつまったりすることなく動いてくれます。
2位 ASUS C200:Celeron(Bay Trail)
3位 HP Chromebook 11:Samsung Exynos
3位 Samsung Chromebook 2:Samsung Exynos
CPUの比較ではこの順位になります。SamsungとHPは、タブレット用のCPUを使用していますので、あまりこの分野で良い評価はできません。ベンチマークテストで最も低い順位となっています。
反対に、Acer C720は最新のHaswellを採用していますので、最も優秀なCPU性能を持ちます。
ASUS C200はこれらの中間、という感じですね。
CPUの比較ではAcer C720が一歩リードです。
2.重量の比較
携帯性を考えるとき、その重さは非常に重要です。今僕は1.6kgのMacbook Pro Retina displayを使用していますが、これを持ち歩くのは正直しんどいです。毎日持ち歩くにはかなり嫌になる重さですね。
1位 HP Chromebook 11:1.04kg
2位 Samsung Chromebook 2:1.1kg
3位 ASUS C200:1.13kg
4位 Acer C720:1.25kg
各モデルについて、それほどの違いはありません。1位のHPと4位のAcerで比較したら少し違いを感じる、という程度でしょうか。この項目ではHPがその優位性を見せ、Acerは逆に弱点を見せました。
3.バッテリーの比較
持ち運ぶのなら、当然バッテリーは最重要です。スタバでPCカタカタやってたら凄まじい勢いで電池が消耗していく……、となっては現実的に利便性に欠けます。
家のソファーでぐうたらしながらパソコンを使っている時も、あまりすぐにバッテリー切れを起こしてもらっては困りますね。地味ですがこの面も重要かと思いました。
1位 ASUS C200:10〜11時間
2位 Acer C720:8〜9時間
3位 Samsung Chromebook 2:6〜7時間
4位 HP Chromebook 11:5〜6時間
この項目ではかなりの差がでました。1位のASUSと最下位のHPでは約2倍という激烈な差があります。この数字を見てしまっては、正直SamsungとHPはちょっと選びにくいですね。
4.まとめ
以上 3項目について、それぞれの順位点をまとめ、総合順位を決めたいと思います。順位点の少ない物を「比較的優秀なモデル」とします。
1位 ASUS:6点
2位 Acer C720:7点
3位 Samsung Chromebook 2:8点
3位 HP Chromebook 11:8点
どうでしょうか、この順位点のあまり変わらない感じは……。ここまで読んでいただいた方や、Chromebookに詳しい方ならお分かりいただけると思うのですが、現在この業界、「あっちを立てればこっちが立たず」という状況なのです。
重量とデザイン性の良いHP Chromebook 11は、そのバッテリー持ちに重大な欠陥がありますし、CPUの処理能力にも疑問点があります。
その中で、今回1位とさせていただきましたASUS C200は大体なんでもバランス的な優等生タイプであり、かつ最も秀でて優秀なバッテリー機能をもちますし、そこも重視して評価してみました。しかもこのモデル、Macbookのパクリのようなデザインをしておりますので、現在Macbook proユーザーである僕はそこもヒイキしています。
じゃあAcer C720はどうなのよ?多少重いかもしれないけどこの程度だろ?というご意見があるのは当然理解しております。この記事を書いている今、むしろAcer C720がやっぱり最強なのでは、という思いは確かに僕にもあります。
しかし!僕は昨日既に買ってしまったのです。ASUS C200くんを。
ASUS Chromebook C200
ということで、先日(2014/8/24)、僕が購入したChromebookであるASUS C200くんです。
最初はアメリカのAmazonから直接購入しようと思っていたのですが、どうやらこのモデル、現在はアメリカAmazonからの直接個人輸入はできない設定になっているようです。
そこで、多少割高になったのですが、日本Amazonの並行輸入業者からの購入としました。35000円程でした。
2週間弱で届く予定となっていますので、届きましたら実際に使ってみた感想や新しい発見をレビューしたいと思います。